「不毛地帯」というドラマ

2011-11-20
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こんなことをしている場合じゃないと思いつつ、
ついチラリと観てしまった、唐沢寿明主演の「不毛地帯」。
シベリアで11年、抑留生活を送った元軍人が、戦後の商社で上りつめていくという話。
重く苦しい気持ちになったが、観ることが義務であるかのようなドラマだ。
「不毛地帯」というのは、シベリアの草木の生えない不毛地帯と、
お金や物の価値観にとらわれた、現代社会の精神的な不毛地帯をかけている。
いまの平和な世の中がどれほどの人々の犠牲の上にあるか……
というようなありきたりの、安易な言葉では語れない。
日本人の精神的エネルギーというのは、戦前、戦中から
高度成長へと受け継がれ、経済的な力になって現れたのだろう。
いまは、それと同じ強い精神性は薄れてきたが、それでもやはり、
勤勉さや礼儀正しさといったものとして残っているのかもしれない。
しかし、山崎豊子という作家の、歴史の暗闇に迫る職人技には、脱帽してしまう。
「白い巨塔」「華麗なる一族」「二つの祖国」「沈まぬ太陽」…・…
1927年生まれ、87歳というが、70代でも脂の乗った作品が出版されている。
その企画力、取材力、洞察力、そして、筆の力には、魂が込められている。
書斎を「牢獄」と呼び、作品が脱稿すると「出獄!」と言って喜ぶとか。
これほどの仕事、「楽しい♪」といってできるレベルではない。
山崎豊子さんのあるインタビューに、座右の銘としている言葉が載っていた。
ゲーテの言葉らしい。
 「金銭を失うこと。それはまた働いて蓄えればよい。
 名誉を失うこと。名誉を挽回すれば、世の人は見直してくれるであろう。
 勇気を失うこと。それはこの世に生まれてこなかった方がよかったであろう」

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