おもてなしの心「しつらえ」

2010-07-05

MAYUMIの旅びと生活。-100705-1


鹿児島で、実家のすぐそばにある高名な陶芸家のお宅にお邪魔した。
雰囲気のある古民家を数十年前に移築して、建てたお宅。門から玄関までの石畳のアプローチもしっとりとした風情である。
周囲はホタルが出そうな草木が茂っていて、虫の音が聞こえている。窓を全開にしているのに、まったく虫が入ってこない。
「虫の生活を邪魔しなければ、虫は来ないんですよ」
と先生。
夕方だったので、奥さまが急きょ作ってくださったフランス料理とワインをいただく。意外なことに、ご夫婦二人とも、フレンチ&イタリアン通。
感動したのは、私たちのために“しつらえ”を、つくってくださっていたことだ。
しつらえとは、「設える」の意味。お客をもてなすとき、空間や器など、客の好みや主人のもてなしの気持ちを込めてセッティングすること。
玄関や、ふたつの空間に、私たちのために特別に活けてくださったお花、花器、書、茶のセット、・・・あと名前はよくわからないけれど、ちょっとした置物など、いろいろと意味のあるものがセッティングされていた。季節も楽しめるように。もしかしたら、もっと空間のあちこちに、そんな仕掛けがあったのかも。
もうひとつの部屋の空間は、履をモチーフにした置物で、「旅立ち」を意味していた。
じーんと涙が出そう……。
こうして、昔の人たちは、言葉にせず、言いたいことを伝えていたのかもしれない。
日本人って深い。そんな粋な心を、学びたいと思ったのだった。
先生、奥様、また教えてください。


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