フィリピンのアイタ族Ⅳ

2011-07-01

今日は、執筆が煮詰まったので、編集者に思い切って電話した。
HELP!と。
よかった。電話して。
パーッと視界が開けてきたよう。
いい編集者に出会えて、幸せ。
さ、仕切り直していこう。
昼は留学生仲間のKくんが、車を借りにやってきた。
車を出そうとしたら、この猛暑にエアコンがきかない。
しかも、窓も開かない。
汗だくになって、あれこれやってみたが、うまくいかない。
さすが、20年ものの車だ。
「もう一回、エンジンをかけ直してみたら、どうですか?」
と言われて、やってみたら、すんなり、もとに戻った。
でも、その後、無事だっただろうか。
Kくんは、台湾人の彼女を連れて、日本に帰るんだそうだ。
夏休みなんだよね、大学生って。
私も、この仕事が終わったら、夏休みに入るぞ。
さて、今日は、アイタ族の最終回。
アイタ族が、すばらしいスキルをもった民族であることは、おわかりいただけただろうか。

MAYUMIの旅びと生活。MAYUMIの旅びと生活。
MAYUMIの旅びと生活。

このときは、獲ってきたワニ(のようなもの)を食べさせてくれた。
スープで煮込んで。
鳥のささみのように、クセがなく、淡白な味。
私たちが持参したお米を炊いてくれたが、アイタの人たちは、ほとんどお米を食べることはない。
主食は、タロイモ。
それから、山菜や自分たちで作った野菜、イノシシ、鶏、魚などを食べる。
新鮮なものばかり。
ピナツボ火山の噴火で避難民になったとき、魚のカンヅメを「腐った魚は食べられない」と食欲をなくしたり、吐いたりして、亡くなった人もいたという。
自然食ばかりを食べていたので、保存食は受け付けなかったらしい。
お皿も、器もすべて、自然のもの。
コップも葉っぱ。
食べ残したものは、すべて、床に落とし、それを犬が食べる。
犬が食べ残したものを、ニワトリが食べる。
あとは、爬虫類や虫たちが処理してくれる。
だから、すべてが自然に返っていく。

MAYUMIの旅びと生活。

アイタの人々が避難民になって、街の生活を経験してから、自然に返らないものが持ちこまれるようになった。
プラスチック、ビニール、金属が自然に返らないと言っても、アイタの人たちはよく理解できていない。
モノも人間もすべてのものは変化し、自然に返っていくと思っている。
自然の偉大な力を信じ、自然を心から敬服しているのだ。
村には、ゴミがあふれていた。
それをどう処理していいかもわからないし、処理する場所もない。
いや、アイタの人たちだけでなく、私たちも、ちゃんとは理解せずに、大量にものを作り、買い、捨てているのかもしれない。

MAYUMIの旅びと生活。

プリものいちばん下の娘。左手にもっているのは、お父さんが作ってくれた焼きバナナ。
つまようじも、プリモが木の枝で作っていた。
右手にもっているのは、街の人がお土産にもってきたキャンディ。
プラスチックの棒は、そのまま、床に捨てられていた。
ある家におじゃましたら、お母さんが、器用に作った、すばらしい籠が置かれていた。
でも、恥ずかしがって隠し、プラスチックの器を出そうとした。
お母さんにとっては、自分で時間をかけて作った籠よりも、
プラスチックの器のほうが価値があると思っているのだ。
アイタの人たちは、すばらしい能力をもっている。
でも、街の生活を、少し経験してしまったために、
それがわからなくなってしまったのかもしれない。
プリモは、アイタの生き方を大事にし、誇り高く生きている人だった。
誇りがある人は、神々しくさえ見えてくる。
誇りがあれば、文化は続いていく。
誇りをなくせば、文化は消えていく。
人間がもつ誇りの力を、教えてくれる旅だった。
―おわり―


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