ボンタン飴の想い出

2010-06-17
MAYUMIの旅びと生活。-100616_1857~001.jpg

台湾に戻るので、入院中の父に会いにいく。
父はボンタン飴が好きで、よく買って来てくれと頼む。
「なぜボンタン飴が好きかおしえようか」
いつもはほとんど話さないの父なのに、勝手に話し始めた。
戦争が始まる前から4年間、付き合った女性がいた。その人はボンタン飴の工場で働いていて、いつもケースでボンタン飴を持ってきてくれた。
そして、ある日、空襲で二度と会えなくなった。
「亡くなったの?」
「あぁ、かわいそうに」
と、本当に悲しそうな目をした。
「空襲のときは、あっちに逃げ、こっちに逃げだった」
平和に、何事もなく生きられていることが、有り難く、奇跡のようにも感じられる。
いつも祈るような気持ちで別れる。
今度帰ってくるまで、父に何事もありませんように。
戦争を生き抜いてきた人は強い。
きっと大丈夫、と信じよう。


Copyright© 2017 有川真由美オフィシャルサイト All Rights Reserved. L

お仕事のご依頼や質問などは、こちらからお願いします。
担当者よりご連絡いたします。⇒Mail