西拉雅(シラヤ)の旅38 心靈的故郷1

2011-03-01
MAYUMIの旅びと生活。

今回のシラヤの旅は、「心靈的故郷」から始まった。
心霊というと、なにやら神秘的な感じがするが、心を癒すふるさと」という意味だそうだ。
訪ねてみると、なんとも可愛らしい集落。
塀や、家の壁がペイントされて、まるで“アートの村”。そこにいるだけで、なんだか楽しくなってくる!

MAYUMIの旅びと生活。MAYUMIの旅びと生活。

ここは、教会を中心に、地域デザインに力を入れている地区だという。
かつては、活気のない地区だった。
16年ほど前に、赴任した教会の女性牧師、䔥(ショウ)先生がまず、力を入れたのが、子どもたちへの音楽教育。ピアノ、笛、バイオリン……次第に、地区には音楽が響き渡るようになり、人々は元気が出て、未来に希望をもつようになった。
そのとき、音楽教育を受けた子どもの一人は、アメリカで、大学院のピアノ学科を今年、卒業するという。
次に、力を入れたのが、地域デザイン、つまり街づくり。
5年ほど前、集落の住人たちが「この場所を、どんなデザインにするか?」と話し合ったとき、
「コンクリートで固めた集落なんて、つまらない。みんなで、自分たちの住むふるさとを、つくっていこう!」
ということになった。
塀や家のペイント、集会所の整備など、街づくりはすべて、住民たちのハンドメイドによるものだ。
だから、ここの場所にいると、楽しくて、温かい気持ちになってくるのね。

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(写真・上)塀のアートの説明をする䔥(ショウ)牧師。排水口を中心に、古い自転車を使ってデザインしたら、こんなおもしろい芸術作品が誕生!

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集落の中心に、みんなが集まるベンチがあった。
この花は、九重葛(チョウソンクー)といって、年に3回咲く、熱帯の植物。
この木にも、ちょっとしたドラマがある。
この木は、以前、放置され、ほとんど枯れかけていた。
木の持ち主のおじさんは、奥さんが亡くなって、心も体も弱りはて、仕事もなにもやる気が出ない生活を送っていた。
一時期は、遠くに住む娘さんの家に引き取られていたほどだ。
みんなが「一緒に街づくりをしよう!」と誘っても、引きこもって、まったく参加しようとしない。
ところが、まわりの人たちが一生懸命、街づくりをしている姿を見て、少しずつ、おじさんの気持ちも変わってきた。
「私もやろう」
そして、おじさんは、この木の花を咲かせ、みんなが集まれる場所づくりに、熱中するようになった。
それまでの意気消沈した様子とは見違えるように元気になり、週に何度かボランティアとしての仕事にも行くように。
「人生、この花と一緒によみがえったよ」

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(写真・上)おじさんのいい笑顔!
おじさんは、「持ちつ持たれつだよ」と言って、自分の土地を、地域の人々、外からやってくる人に提供している。
「AGAPE(最高の愛)のような、無私の愛をもっている人よ」
と、ショウ牧師。
やはり、人がいちばん幸せになれるのは、だれかに喜んでもらうとき。
持ちつ持たれつ……いま、現代人が渇望し、これから、いちばん必要になってくるのは、そんな“持ちつ持たれつ”の地域社会かもしれない。


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