西拉雅(シラヤ)の旅40 老家珈琲

2011-03-15
MAYUMIの旅びと生活。

シラヤの旅のつづき。
一日目のお昼にやってきたのは、東山郷の「コーヒー通り」とも呼ばれるR175。
このR175沿いには、東山珈琲を飲ませてくれる、個性豊かなカフェが20件ほどあるそうだ。
どのカフェも自然を堪能しつつ、食事と珈琲を楽しめる。
そのなかで、今回、おじゃましたのは「老家珈琲(ラオジャーカーフェー)」。
「老家」というのは、実家のこと。
その珈琲やさんは、まるで、いなかの懐かしい家に帰ったような気持ちになる場所だった。

MAYUMIの旅びと生活。MAYUMIの旅びと生活。

個室の部屋が、あちこちに点在している。
よくみると、廃材や、コーヒーを入れる袋で作ってある。
「お客さんが、机やいすや、いろんな廃材を持ってくるうちに、次々に部屋ができていったんです」
と老板(ラオパン・社長)の呉振福さん。
街にある時計のデザイン会社で働いていたが、6年前にここ、故郷で店を始めた。
鶏や野菜も、自家製だ。
増設した店のほとんどは、手作り。
温かみがあって、リラックスできる個室空間。
ここの名物料理のひとつは、「珈琲雞」だという。
珈琲と鶏? この組み合わせってどうなんだろう。

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半分ワクワク、半分ドキドキして待っていると、出てきたのは、まさに珈琲の鶏鍋。
珈琲のいい香りが漂っている。
でも、やっぱり、珈琲と鶏って、どうなんだろう。
食べてみて……おどろき!
合う! 合う! 
最初に鶏の出汁の効いた薬膳鍋の味。あとで、珈琲の味がじんわり。
不思議なほど、違和感がない。
この「珈琲雞」は、東山でとれた珈琲豆をお湯に2時間浸し、それと漢方薬をベースに鶏を煮るのだとか。
珈琲は香りが命。高温で煮ると、香りがとんでしまうため、低温でじっくりと。
漢方と珈琲がのどを心地よく通り過ぎる。
ふーっ。あったまる……。
そして、もうひとつの名物料理は、「山筒嵩水餃」。
春菊っぽい“草”が入った餃子だ。
さっぱりして、ちょっとほろ苦い味がたまらない。

MAYUMIの旅びと生活。
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口コミで一日400~2000個の注文があり、宅配で送るというから、ものすごい人気。
この“草”の正体は、通称「昭和草」という雑草。
渋みと臭みがあって、料理には不向きと言われていた草だが、生えやすく、鉄分たっぷり。
かつて日本軍が、東南アジアのどこに行っても食べ物に困らないよう、飛行機の上から種をまいたこともあった。
「昭和草」の種は、台湾の地に舞降り、風に吹かれてどんどん増殖していったという。
「この昭和草は、どんどん大きくなって、大変な状態になるんです。子どものころ、よく、この草を刈る仕事をさせられた思い出が強烈にあって、ふと、料理にしたらどうかと思いついたんです。なぜなら、この昭和草は、一年中そこらに生えているんですから」
と呉さん。
でも、渋くて臭いのある草の餃子なんて、メニューに書いても、だれも注文しない。
黙って、家庭料理として出したら、「おいしい、おいしい」と、みんなが注文するようになったとか。
草の渋みと臭みは、どうして消しているんですか?と聞いたら
「配合です。口当たりがいいような組み合わせと配分を考えました」
たしかに、いくつでも食べられるようなベストな配分を研究し尽くしている。

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食事の後は、呉さんが、サイフォン式の東山珈琲を入れてくれた。
こちらも渋みがなくて、まろやかな味わい。
台湾珈琲は、最高品質のものだと、つくづく思う。
台湾の昭和時代にまかれた昭和草も、だいぶ少なくなってきたという。
昭和草は、野生でしか育たない雑草だ。
人が栽培することは、できないという。
したたかで、たくましく、そして、凛とした雑草。
人の手には負えなくても、「いい味だしてるね」と言われる、そんな雑草のように、生きたいもんだ。
そのためには、呉さんのような愛情深い人に出会うことなのかも。

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昭和草の餃子をもった呉さんと奥さま。何十人とやってくるお客さんを、平日は二人で迎えてくれる。
【老家珈琲】
台南縣東山郷高原村90郷
TEL 06-686-1230
Email r2491909@yahoo.com.tw
月曜日定休日
10:00-20:00


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